CPUの「コア数」と「スレッド数」って何が違うの?初心者にもわかりやすく解説

オペレーティングシステム(OS)

パソコンやスマホのスペック表を見ていると、「4コア8スレッド」「8コア16スレッド」といった表記をよく見かけます。なんとなく「数字が大きいほど速そう」というイメージはあっても、コアとスレッドの違いを正確に説明できる人は意外と少ないのではないでしょうか。

この記事では、CPUのコア数とスレッド数の違いから、選ぶときに気をつけたいポイントまで、わかりやすく解説していきます。

コアとスレッドの基本的な違い

まずは基本の言葉の意味から整理しましょう。

コア数とは

コアとは、CPU内部にある独立した演算処理ユニットの物理的な数のことです。それぞれのコアが独自の演算装置(ALU)、キャッシュ、レジスタを持っていて、並列に命令を処理できます。

たとえるなら、コアは「実際に作業をする職人さんの人数」のようなものです。職人が4人いれば、4つの作業を同時に進められます。

スレッド数とは

一方スレッドは、OSから見える論理的な処理単位の数です。実は多くのCPUでは、コア数よりスレッド数の方が多く表示されます。これは1つの物理コアが複数のスレッドを同時に処理できる技術のおかげです。

なぜスレッド数はコア数より多いのか

この仕組みを支えているのが、Intelの「ハイパースレッディング(Hyper-Threading)」やAMDの「SMT(Simultaneous Multi-Threading)」と呼ばれる技術です。

先ほどの職人のたとえで言うと、1人の職人が作業の合間にできた「ちょっとした空き時間」を使って、もう一つの別の仕事も並行してこなせるようにするイメージです。これにより、1つの物理コアが2つの論理コア(スレッド)として振る舞えるようになり、「4コア8スレッド」のような表記が生まれます。

ただし注意したいのは、スレッドが2倍になっても性能が単純に2倍になるわけではないという点です。実際の性能向上幅は用途にもよりますが、おおむね1.1〜1.3倍程度にとどまることが多いとされています。あくまで「隙間時間の有効活用」であって、本物のコアが増えるわけではないからです。

代表的なコア・スレッド構成の例

具体的なイメージをつかむために、よくある構成をまとめてみました。

構成物理コア論理スレッドどんな用途向けか
4コア4スレッド44SMT非対応の廉価モデルなど
4コア8スレッド48ミドルレンジPC、HT/SMT有効
8コア16スレッド816ハイエンドデスクトップ・ワークステーション
高性能+高効率コア混在型例:8P+16E=24コア例:32スレッド最新の省電力設計CPU

最近のIntel第12世代以降のCPUのように、高性能コア(Pコア)と高効率コア(Eコア)を組み合わせたハイブリッド構成も登場しています。この場合、Pコアだけがハイパースレッディングに対応していることが多く、単純に「コア数×2=スレッド数」とはならない点にも注意が必要です。

コア数・スレッド数が多いとどう嬉しいのか

コアやスレッドが多いことには、こんなメリットがあります。

  • マルチタスクが快適になる:複数のアプリを同時に開いていても、処理が分散されるためもたつきにくい
  • 並列処理が得意な作業が速くなる:動画のエンコード、3DCGのレンダリング、プログラムのコンパイルなど、作業を細かく分割してコアに割り振れるタスクで効果を発揮する
  • サーバーや仮想化用途で効率が上がる:多数のプロセスや仮想マシンを同時に動かす環境で強みを発揮する

気をつけたい注意点

一方で、「コア数・スレッド数が多い=万能」というわけでもありません。

シングルスレッド性能は別問題です。コアがたくさんあっても、1コアあたりの処理速度(クロック周波数やIPC)が低ければ、ゲームや普段使いのアプリの体感速度が上がるとは限りません。多くのゲームや一般的なソフトは、実は少数のコアに処理が集中する傾向があります。

ソフトウェア側の対応も重要です。アプリがマルチスレッド処理に対応していなければ、コアがいくつあっても宝の持ち腐れになってしまいます。

スレッドはあくまで論理的な資源であることも覚えておきましょう。8スレッドあるからといって、実際の演算能力は物理4コア分しかありません。負荷の高い処理を同時に8つ走らせようとすると、どこかで性能が頭打ちになります。

自分のPCのコア数・スレッド数を確認する方法

自分が使っているPCのスペックが気になったら、以下の方法で簡単に確認できます。

  • Windows:タスクマネージャーを開き、「パフォーマンス」タブのCPU欄を見ると「コア」と「論理プロセッサ」がそれぞれ表示されます
  • macOS:Appleメニューの「このMacについて」→「システムレポート」で確認できるほか、ターミナルで sysctl -n hw.physicalcpu hw.logicalcpu を実行しても調べられます
  • Linux:ターミナルで lscpu コマンドを実行し、「Core(s) per socket」と「Thread(s) per core」の項目を確認します

まとめ

  • コア数は物理的な演算ユニットの数、スレッド数はOSから見える論理的な処理単位の数
  • ハイパースレッディング/SMTという技術により、1コアが2スレッドとして扱われることが多い
  • スレッド数が多いからといって性能が単純に倍になるわけではない
  • 用途に応じて、コア数・スレッド数だけでなく、シングルスレッド性能やソフトウェアの対応状況もあわせてチェックすることが大切

CPU選びで迷ったときは、まず自分がどんな作業をメインに行うのかを考え、それに合ったバランスの製品を選ぶのがおすすめです。